人・組織で備えたい“トリの目” 〔第1回〕トリの目の基礎:ビジネスマナー
本コラムでは、TMW契約講師陣が、ビジネスにおいてトリの目を持つとは何か、それはどんな意味を持つかなどトリの目に関わる話題を扱ってまいります。
トリの目の基礎:ビジネスマナー

新年度を迎え、今年も新入社員と会う機会が続いた。新入社員のハキハキと大きな声での挨拶や、研修内容に取り組む姿勢には毎年心洗われる気分であり、彼・彼女たちのお手本足りうる人財かどうか、謙虚に自分を見つめ直す時期でもある。
新入社員研修は、各社とも創意工夫を持って設計・運営されている。「感謝の気持ち」「ものづくりの楽しさ」などのテーマを実感・体感を持って学ばせる組織もあれば、会社を支えている現場に見習い実習として派遣する組織もある。いずれにしても、会社が新しい従業員を迎え入れ、会社への理解を深めるように様々な知識を提供し、彼らが社会人として意識を切り替え、キャリアをスタートするのを支援する点は共通している。
新人研修で扱うテーマを調べると、1位ビジネスマナー 2位仕事の進め方(ほうれんそう) 3位コミュニケーション力 という調査結果がある(※)。配属後、社会人として職場での基本的な言動が取れるために欠かせないテーマと認識されている。TMWでも1位・2位のテーマをビジネスマナー研修として扱っており、新人は毎年とても楽しそうにビジネスマナーを学んでいる。自分の身だしなみをチェックしたり、言葉遣いを確認したり、自分の言動を具体的に確認することで、職場という未経験の環境に対し準備ができる安心感もあるのかもしれない。
基本的なマナーを習得することは大切だが、さらに重要なのは、なぜそのような言動を身につけなければならないか、と自分自身で理解することである。毎年この時期になると、研修から開放された新人の振る舞いに対する批判を耳にする。「歩道いっぱいに歩いて他の人が通れない」「会議中なのに休憩中の新人の声がうるさい」「すれ違っても挨拶もない」など。その場で注意されればやめるけど、また同じような言動をとる。その大きな原因は、「新人は自分達しか見えていない」ことにある。つまり、新しい環境において自分は周囲から何を見られているか?という視点が持てていないのである。周囲に配慮なく、自分の思いのままの言動をとるということは、本当の自分自身を見てもらうチャンスを失うことでもある。職場で新しい社員を迎える時、職場の人たちは、この人は何をしてくれるか?この人とはどんな仕事ができるか?という点を見ている。職場の人に自分自身を正当に評価してもらうためにも、その場に相応しい言動を自ら取れることが大切である。
ビジネスマナー研修で、手取り足取り全ての言動を教えられるものではない。でも、自分がどう見られているかという視点を持つことができれば、自分の言動が今この場に相応しいかどうか振り返ることができる。ビジネスマナーは、今後社会人としてキャリアをスタートする新人にとって、自分を客観視する「トリの目」の基礎力といえよう。
※日本能率協会マネジメントセンター調べ 2007年2月
→”トリの目”についてはこちら
→過去の記事一覧





