人・組織で備えたい“トリの目” 〔第10回〕 : 成果を出す営業マンに共通する"ものの見方"
本コラムでは、TMW講師陣が、ビジネスにおいてトリの目を持つとは何か、それはどんな意味を持つかなどトリの目に関わる話題を扱ってまいります。
成果を出す営業マンに共通する"ものの見方"

営業経験のある方は、北極圏の住人に冷蔵庫を売る話や、原住民の村に派遣された二人の靴のセールスマンの話を1度や2度は聞いたことがあるだろう。冷蔵庫を食品が凍らない道具として売った、全員裸足の原住民を見て、一人のセールスマンは「誰も靴を履いていないので、一足も売れません」と報告、もう一人のセールスマンは「誰も靴を履いていないので、いくらでも売れます、至急大量に靴を送ってください」と連絡し大儲けをした、という話である。
上記の逸話にもあるように、営業成果に関連する要素のひとつに営業マンの「ものの見方」がある。特に大型商談で成果を出す営業マンに共通する「ものの見方」のひとつは、自社が提供する商品やサービスは顧客の問題を解決する手段に過ぎず、自身が売っているものは、問題の解決という価値だと考えていることだ。
現在、営業研修で講師を務めさせていただく機会があるが、「提案営業とは何だと思いますか?」と伺うと、マネージャークラスであっても「お客様に自社の商品を提案することだ」とおっしゃる方は多い。私自身、以前は自社サービスの優位性を如何にうまく伝えるかに頭がいっぱいで、自社サービスを売ることこそが自分の仕事だと考えていた。
転機となったのは、20代後半に転職した会社で、諸先輩方から「顧客のビジネスゴールを理解すること」の重要性を繰り返し教え込まれたことだ。その会社では、注文を獲得し意気揚々と帰社しても喜んでくれるとは限らず、顧客の表面上のニーズが本当に問題解決になるのか、そもそも営業担当として顧客の問題やあるべき姿を正しく掌握しているのかと商談の中身を問われ、目先の受注に飛びつくことをしばしば諌められたものだ。そんな環境の中、ようやく自分の提供するサービスは顧客のビジネスゴールを達成するための手段に過ぎず、顧客とともに未来に視点を広げることが大きな価値につながると理解できるようになってきた。営業の役割に対する自分自身の見方の変化は、自然と営業スタイルの変化につながり、その後は、事業部門の人材一括受託やコールセンターの運営受託といった、それまでにはなかった類の成果が出るようになった。また、売るものが変わっても、成果につながるプロセスは一緒であることも経験した。
営業に際し、自社の商品を「手段」と捉えるか、営業の「目的」と捉えるかによって、顧客対応は自ずと変化する。
購買担当者が苦手な営業マンの第一位は「すぐにパンフレットを出して商品説明をする人」だそうだ。
営業担当者は誰しも、早く売り込みをしたくなるものだが、自社商品は一旦脇に置き、顧客と一緒になって、顧客のビジネスゴールへの道筋を探ってみてはいかがであろう。
→”トリの目”についてはこちら
→過去の記事一覧





