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部下に課題を提示する

株式会社トッパンマインドウェルネス 常務取締役 岩崎玲子

どのように課題を提示していますか?

 チームの計画表を眺めると「あれもできていない」「これも進んでいない」とため息がでることがあるだろう。担当者を呼んですぐに指導する必要がありそうだ。このとき、どのように課題提示するといいだろうか。問題を指摘されれば人は防衛的になるものだ。目的である業務遂行をさせるためには、「遅れているじゃないか!」「何をやっているんだ!」と指摘することは緊急事態を除き、得策とはいえない。

また、話し合いをするときは目的やテーマがあることが当たり前と思うだろうが、驚くべきことに、コーチングをするにあたりはっきり課題やテーマを告げないままに話し合いが進んでいるというケースが少なくない。そこには、はっきりいいづらいという気持ちがあるか、部下が自分の指摘に反発したり、受け入れてくれないことを恐れている可能性がある。しかし、話し合いを避けてしまっても問題は解決されない。「部下は当然わかっているはず」という思い込みがあることも考えられる。しかし、本当にそれで効率的な話し合いができるだろうか?

よいコーチは忍耐強い

 計画に対して「遅れている」という事実を認識した上司は、その認識を課題として提示するだろう。でもあわてないことだ。上司は現場のすべてを知っているわけではない。それが正しいか、何が起こっているのか担当者と話しながら検証する必要がある。そのため、課題を提示するときは、「何が問題なのか」あまり決め付けずに部下からの情報を取りなら進めることが有効だ。

うまく部下に課題を提示するためには、具体的な情報、データを用意する。あいまいな表現で課題を提示したり、その人の性格を指摘しても行動は変わらない。しかし、その事実でさえも人によって解釈が異なる。人は過去の経験やもっている情報、立場によって、その事実の解釈をおこなっている。そのためある現象や出来事を部下が上司と同じように理解するとは限らないのだ。コーチは辛抱強く、相手の話を聞いて、なぜそのような理解をしているのか探りながら、決め付けずに課題を理解させるのである。

課題は具体的に

 これまで数百名のコーチング実践記録を見てきたが、うまくコーチングできている人は課題設定が具体的だ。課題提示しているつもりが、相手には何が課題か実はよく伝わっていない、ということはないだろうか?「もっと主体性を持ってほしい」といわれても部下はどのように動けばいいかわからない。管理職はそもそも部下の業務遂行の様子をよく観察して、何が課題かを設定する訓練が必要かもしれない。

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