TMW UP FRONT

チェンジ・ラボで得たもの

常務取締役 岩崎 玲子

 2010年4月に清里で開かれた「チェンジラボ:社会変革の実践」という3日間のワークショップに参加した。ファシリテーターは、グローバルな食糧問題、子供の貧困、温暖化など複雑な社会問題の解決に取り組んでいるアダム・カヘン氏である。

 私がこのワークショップに参加した目的は次の3つである。
  1 企業変革と社会変革は別個の物ではなく、つながっていると考えているため社会変革に触れて
    みること。
  2 システム思考やシナリオプランニング等のツールを活用した変革を実例や体験で学ぶこと。
  3 会社を離れ、変革に関心のある人たちと出会うこと。

 ワークショップは「サスティナビリティ」をテーマに、基本理論のレクチャーを受けてお互いの経験から学ぶペアインタビュー、ラーニングジャーニー(外部の現場を観察し、話を聴いて気づきを得る)、私たちの持っている思い込み(メンタルモデル)の探求、内省を経て、持続可能な社会のための取り組みを構想するという流れであった。こうしたプロセスを通じて、中身の検討を進めるとともに、節々で進め方そのものを学ぶという趣向だ。

 

 結果として、当初の目的は十分に果たしたが、特に次のことを自らの課題として持ち帰った。

  1 複雑な問題に取り組むときには、過去の方法論や事例が適用できるものではなく、やりながら発見していく
    ことが大事だということ。企業の問題が、前例の方法論が通用しないかどうかは場合によると思うが、まず
    集まって問題解決に取り組みながら考えることが望ましい。今、我々の行動はスタートが遅すぎはしない
    だろうか。

  2 問題解決がうまくいくかどうかは、関係者全員が参加して発言できる場をつくること。そのことで、お互いの
    見方を提供し、意味を通すことが重要であること。我々は普段、話し合いは十分していると思っているが、
    本音が言えなかったり、一部の関係者で決定されていたりしていないだろうか。

  3 創造的な解が生まれる前には混乱に耐え、生み出す力が必要であること。衝突や混乱を避けていてはブレー
    クスルーは難しい。企業は秩序を重んじるため、それに慣れた社員は混乱を恐れたり、変化に抵抗したりする
    かもしれない。そこを乗り越える強さを、リーダーやファシリテーターは持っているか。

 企業変革は簡単ではないと実感しているが、そうした課題を共有できる仲間を得たことも大きな収穫であった。ここで得た人脈は、この3ヶ月間で少しづつ芽をだし、交流が広がり仕事へのアイデアが膨らんでいる。

→過去の記事一覧