TMW UP FRONT

役割認識を促す

常務取締役 岩崎 玲子

 最近の課長層の研修で聞かれるコメントとして、次のようなものがある。

 「部下は管理職になりたくないというんです。そう言われちゃうとね・・・」
 「うちの目標管理制度は、状況が変化することを加味していないのです。だから、部下の納得を得るのは難しい
  です」
 「自分より年上の部下が3人いるのですが、意欲が感じられません。その状況で課の目標達成は厳しいですよ」

 どれも難しい状況で、相手やしくみなど状況のせいにしたくなる気持ちは良く分かる。実際に、課長層だけではどうにもならないこともあり、組織として対応を考える必要もあるだろう。

 しかし、こうした中でどのように部下を活かして成果を上げるかが課長の役割とも言える。課長自身にそのような基本的な役割認識がもちにくいのはなぜだろう。例えば・・・

  1  新任課長研修で役割認識を学ぶが、「課長になるとはどういうことか」を自分ごととして理解するまでに
     至っていない。

  2  現場の上司から、「課長になるとはどういうことか」就任時もそれ以降も指導されていない。

  3  課長自身が、自分の経験を踏まえて内省し、どう対応するかを考えていない。

  4  この状況でも許される環境(しくみ)にある。

 などの理由が考えられるだろうか。

   冒頭の事例のような場面への対応は管理職になってから学ぶことでもあるだろう。そこで、新任課長時代には、上司である部長が他責ではなく自責で捉えるようサポートしたい。

 ある顧客企業では、課長の研修に現役部長がやってきて、経験を語り、質疑に答える。これは講師の解説よりぐっと説得力がある。この機会は部長の役割認識をも高めるだろう。

 また、研修においては、他責になりがちな場面でどう対応するかを受講者同士が議論するのもひとつ。講師が講義するより、課長同士が説得し合うほうがインパクトがある。その点、新任就任後1年~1年半たったあたりで再度集まり、マネジメントの課題を検討する場は有効だ。その上で講師から解説すると理解が深まるようだ。役割認識を促すために、活かすべきは社員の力なのだろうと思う。

 同時に、行動指針や戦略目標とリンクさせて課長に期待役割を明示し、それが実行されないことは許されないというフィードバックがかかるような制度運用によって、理解を促すことができる。

 人としくみの両面が大切だ。

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