お客様インタビュー ・ 第1回
   オリンパス株式会社 様



ファシリテーションを活用して中堅階層のマインド向上を支援し、

オリンパスの生産技術を高める
 


【今回のお客様】

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 オリンパス株式会社
 研究開発センター 生産技術本部
 教育委員会育成ワーキンググループの皆様
  課長 牧野秀明 (ワーキングリーダー)様
  課長 青沼貞治 (ワーキングメンバー)様
  課長 富谷 学 (ワーキングメンバー)様
  課長 後藤 豊 (教育委員会事務局)様

 インタビュアー:
 株式会社トッパンマインドウェルネス 岩崎玲子

 
左から 青沼様、後藤様、岩崎、牧野様、富谷様

※本文中の敬称は省略させていただきます。

取組の背景

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          後藤様

岩崎:
皆様、本日は宜しくお願いいたします。まず始めに、皆様がいらっしゃる教育委員会についてお聞かせ下さい。

後藤:
教育委員会の事務局として説明させていただきます。弊社では、各部門で職務内容が違うために、各部門で必要とされる業務知識やスキルの教育は各部門が独自に企画し、実施する形態をとっています。私たちが活動している教育委員会は、所属する生産技術本部において人材育成を担当する委員会です。育成ワーキンググループとは、その教育委員会を構成する4つのワーキンググループの中のひとつです。

 

岩崎:
御社には人材育成の担当部門として「人材開発センター」という組織がありますが、教育委員会との役割のすみわけについてご説明いただけますか?

後藤:
人材開発センターでは全社共通の人材育成をミッションとし、全社をにヨコ串をさして必要な研修などを企画・実施しています。教育委員会では、生産技術本部に必要とされる業務知識やスキルの教育に限定して企画・実施しています。

岩崎:
教育委員会は、なぜ委員会という形をとられているのですか?

後藤:
教育委員会では、生産技術本部内の各部門からやる気のある人材を選抜して委員会を構成しています。この形態のほうが、各部ごとに異なる様々な意見を集約できますし、逆に本部内での水平展開する上においても容易というメリットがあります。

岩崎:
ワーキンググループに選ばれた時の皆さんの気持ちはいかがでしたか?

牧野:
私は別のワーキンググループでの活動の経験もありましたので、そこでの経験をもとに自分の力を活かして、他の人に広げようと考えていました。

青沼:
私の場合は人に教える機会そのものがありませんでした。だから選ばれた時には、「一体何をやったらいいのか?」「自分に何ができるのか?」「本当に自分に務まるのか?」など、色々な面で不安でいっぱいでした。

冨谷:
私も不安でした。「指導することを考えてワーキングを手伝ってほしい」と言われたのですが、はたして何をすればいいのか分かりませんでした。しかし、実際に委員会に入って活動してみると、「職場を変えられる、いいチャンスかな?」ととらえる事ができ、委員会での経験は自分の職場にも活かせると感じることができました。

研修実施までのプロセス

岩崎:
今回の取組に至るまでの経緯についてお伺いしたいと思います。

後藤:
事前に本部内でヒアリングやアンケート調査を実施し、中堅階層と高年齢層のモチベーションに問題があることがわかりました。また、全社的にも新人、職制階層別研修は行っているものの、中堅層への教育は手薄になっているというのが実態でした。そこで私たちは、中堅層、特にマインド面の補強が必要と考え、育成ワーキンググループで中堅層の研修をテーマに、昨年の4月から取組を始めました。

岩崎:
初期の頃の議論はどの様な感じでしたか?

後藤:
私自身がそのような教育を受けた実感はなく、「マインドを向上させる」にはどうしたらいいか、そのような研修はどうしていいか、さっぱり分かりませんでした。情報収集のために外部の人材育成のコンサルティング会社を調べましたが、前提はあくまで自分たちで先輩として教育する、というものでした。しかし、メンバーの1人が、「自社リソースで実施するのは無理、外部のリソースを活用しないと責任もってできない」と主張したのです。

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          牧野様

牧野:
技術スキルを向上させる専門教育は社内リソースでできていましたが、マインドを向上させる教育は行っていませんでした。また、ノウハウを持ったヒトもいませんでした。そういう意味で、自社リソースで行うとは言ったものの、本当に自分たちでできるのかという不安があり、序々にグループ全体の意見が外部の力を借りる方向に傾いていきました。

後藤:
何社か人材育成のコンサルティング会社を当たったのですが、その中にトッパンマインドウェルネスさんがありました。しかし、私達があたった数社のコンサルティング会社は、あくまでもコンサルティングありきの専門でした。しかし、岩崎さんに初めてお目にかかった時、「人材育成は本当にできるものですか?どうしたらいいですか?」という質問をし、凸版印刷さんでの取り組みと、岩崎さんの過去からのポリシーと行動をお聞きしました。トッパングループ企業での人材育成・組織活性の問題に対して危機感を抱き行動され、具体的に改善施策を実践し、苦労され効果を上げていく中で得られた様々な知見を現在に至って活かしているという特長がわかりました。そこを決め手としました。

 

岩崎:
その後は、数回打合せをさせていただいたと思いますが、こちらが質問をさしあげると皆様から本当に多くの情報提供や質問がありました。だからこそ4ヶ月という短期間で上手く設計できたのではと思います。

後藤:
私たちも最初は何をやればいいか分かりませんでした。例えば、打合せの中で岩崎さんから「御社の経営理念は?」といった質問がありましたが、そのようなことが研修で必要だとは考えもしませんでした。しかし、話合いを重ねていき、正解だったと感じました。

研修の概要


最初に本部長から参加者への期待メッセージをいただき、中堅階層研修がスタートしました。
研修の目的は次の3点でした。
 1 会社の基本使命(FOCUS 21/Social IN)を理解し共有する
 2 生産技術本部の行動指針(生産オリンパスウェイ)を理解し共有する
 3 自らの立場を理解し使命を再確認し、行動計画を描く
 
研修では、ペアインタビューで成功体験を語ってもらったり、グループ討議を通じてミッションを自分たちの言葉で定義しなおしたりしました。途中で、ファシリテーションのミニ講義を入れ、リーダーとしてのものの見方、考え方を他社事例などで学びました。最後に部長を招いて自分たちの行動計画を発表し、それに対して育成ワーキンググループから個々にコメントを行いました。

                            ⇒この取組に関連する研修プログラムのご案内はこちら
                                   トリの目ファシリテーション

研修をやってみて

岩崎:
今度は研修を実施した後のことについてお伺いします。実際に研修をやってみていかがでしたか

後藤:
一言で言えば「一石二鳥」でした。一つは、目的である”研修生に気づきの場を提供する事ができ、そのことでマインドとコミュニケーションの向上が図れたこと”。もう一つは、”会社の理念であるFOCUS21について考え、研修生に当社のものづくりのDNAを改めて周知徹底できたこと”です。

岩崎:
ありがとうございます。やり終えてお感じになられた事やご自身の学びになった事などはありますか?

後藤:
今回の研修で岩崎さんのファシリテーションのすごさ、プロのテクニックには圧倒されました。それを機会に、ファシリテーションやコーチングなどについての本を読みました。メンバーから意見を引き出したり、参加を促したり、日常的に当事者意識を持たせるためのコミュニケーションスキルである、ファシリテーションの極意は非常に勉強になりました。マネージャーやリーダー層の教育に入れるべき必須スキルではと感じました。

岩崎:
研修を実施して、ファシリテーションのスキルが日常でも大事という事にあらためて気づいたということですね。

後藤:
ええ。また研修生に対して行ったアンケートでは、「仲間と話せて有意義だった」「自分の意見が言えた」といったコメントがありました。それを引き出すファシリテーションのスキルはすごいと思いました。また反面、自分の考えを言える機会に飢えていたのだなと感じました。一方で、日常的なコミュニケーション不足で、自分の意見が言えていないということで、このままではまずいと改めて感じました。

牧野:
中堅層向けの研修は、今回とは内容が全く異なる研修を過去に行ったことがあり、今回の取組でも、ややもすると過去の研修を単純に繰り返しただけになっていたかもしれませんでした。しかし、今回の育成ワーキンググループでは、多様な部署から人を集め、討議し、企画したことで、自分では考えもつかないような方向に話が進んでいきました。結果として、受講者から、楽しんで参加できたと良い評価をもらえて非常に良かったと思います。

岩崎:
「自分では考えもつかないような方向に話が進んだ」というのは、みんなで意見を出して検討することの価値を感じたということでしょうか?

牧野:
そうです。当初、私にはプロ(外部)に任せるという考えは全くなく、みんなで議論しなければ、最後まで自主運営という枠から脱却できなかったと思います。

岩崎:
そういう意味では委員会の皆さんがまさにファシリテーションのプロセスを体感なさったということですね。

後藤:
研修生の上司への報告に「受けてよかった」と言う声がたくさんあり、アンケート結果でも満足度が100%で、我々も非常に嬉しかった。研修生にとっては大変だったかもしれないが、満足感の高い研修ができたと実感しています。

岩崎:
青沼さんや冨谷さんはいかがですか? 研修当日に見学いただきましたが何か感じられたことはありますか

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          青沼様

青沼:
研修生たちは、若いけれども自分の意見をしっかり持っているなと感じました。職場では表出されないのですが、いざ研修の場で話してみると、芯のあるいい意見を持っていることが分かり、「こんな意見をもっているのだ」といい意味の驚きを感じました。しかし、職場ではこの様な意見は出てこない。そこに大きなギャップを感じました。若手が職場では静かなのは、意見を閉じ込めさせている私たちに責任があるのかなと感じました。

冨谷:
私は、今の若手世代はどこか冷めていると感じていました。会話も淡々として情熱が感じられることもなく、コミュニケーションも上手くないと考えていました。しかし研修をやってみると、あんなに意見が出るのだ、熱いものを持っているのだ、という驚きがありました。

青沼:
ファシリテーションの真の意味に触れたのはこの研修が初めてだったのですが、早速職場でも個人的に使ってみて部下の意見を引き出そうとしています。

冨谷:
考えてみると、現在の仕事環境では、自分の答えを探すということが難しいのかもしれません。大体のことは事前に答えがあって、無意識的に早くその答えたどりつくことが求められているように思います。そのため、職場での会話でも後輩から「それで答えは何ですか?」とほとんど考える事をせずに答えのみを求められてしまいます。しかし、今回の研修で、然るべきプロセスを踏めば答えを与えなくても、自分の答えにたどり着けるのだというマインドチェンジが与えられたと思います。

今後の展開について

岩崎:
今後の展開についてお聞かせ下さい。

後藤:
教育委員会、育成ワーキンググループの活動は継続していくことが重要ですから今後も展開していくべきと考えています。私の役目は、教育委員会の事務局として委員会のメンバーの育成も考え、社内講師も育成し、できるだけ本部に必要な教育を自前で考え、自主運営し、受講生に満足していただき、効果があがる活動を推進していくことと考えています。社内講師はプロにくらべるとスキル面で劣るかもしれませんが、経験を積む事が重要で、熱意をもって行えば、受講生も受け入れてくれるのではと考えています。
また、中堅層以外の研修も充実させていかねばと考えています。やはり、ヒトが変わらないと組織は変わらないと思います。

牧野:
活動は継続が大切と考えます。自主運営で継続し、自分たちのモノにしていく課程で、様々なノウハウが蓄積できればと思います。

青沼:
人に教えることで学ぶ事が多いと思います。社内講師で実施するからには、マネージャーが色々な講師を経験することで、マネージャー自身が育っていく。社内講師制度をマネージャー本人自身の育成ツールとして活用できればと思います。

岩崎:
その後、実際に青沼さんと冨谷さんは、別の研修でアシスタントとして講師を務められたわけですが、やってみていかがでしたか?

青沼:
相手の言葉のどこをくんでやればいいのか、背景は何なのか、非常に考えさせられました。初めての事でしたし、正直少し疲れましたね(笑)。

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          富谷様



冨谷:
人の言葉はむずかしいと感じました。職場でも、相手の言葉をそのまま受け取って自分で端的にまとめて返してやると、「ちょっと違う」と指摘された事がありました。本当はそこで相手の考えの背景を確認しないといけませんが、確認しないで通り過ぎてしてしまうこともありました。普段のコミュニケーションでもできていないかもしれません。

岩崎:
青沼さんや冨谷さんの場合は、私たち外部のファシリテーターと違って、相手も同じ部門の方なのでなおさら話の背景の仮説を決めつけてしまう可能性もありますね。

冨谷:
確かにそうですね。でも研修では集まる方の経験も違いますから、聞いてみないと分からないですね。

岩崎:
お2人は、相手の発言の背景を確認するというファシリテーションの一番のポイントに、すでに気づかれて話をされていますね。

人材育成にかける思い

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 左から 青沼様,後藤様,牧野様,富谷様

岩崎:
それでは、最後に人材育成にかける思いをお1人ずつお聞かせ下さい。

後藤:
当初、人材育成などという大層なことはできないと思っていました。しかし、この委員会に参加し運営していく中で種々のことを勉強し、3年間で種々なことがありましたが、自分自身も育成成長できたのではないかと感じています。今の夢は、当社に人は最大の財産ですので、人材育成文化を広げ定着できればと考えています。文化が根づくまでが大変ですが、文化が育てばそれを土台になんでもできると思います。それにはトップの理解と支持が絶対条件となりますが。

牧野:
私は若手、中堅社員の皆さんに元気になって、職場で働いてもらいたいと思います。今回の研修では研修生の皆さんはとても元気でした。研修の場だけではなく職場でもそうあって欲しいです。

 

青沼:
人材育成はまるで子育ての様に感じます。見返りを求めないという精神で接する事が大切と感じました。また、研修生は個々人によって響くスイッチが違います。そのスイッチをいかに探し、いれてあげられるかを意識するようにしています。そのスイッチに触れられたときが成長へとつながる最大のきっかけと考えます。

冨谷:
私は技術者なので、いつも技術者という立場から人材育成を考えています。技術は、自然や物と向き合うサイエンスに人の要素が加わったもので、技術を向上させるためには人と向き合う事が必須と私は考えています。この研修を通して、人に向き合うコミュニケーション力をつけ、技術力の向上にもつなげられるという自分の思いをとげる事ができると感じました。

岩崎:
コミュニケーション力が高まることで、お互いの思いや考えが共有でき、その事が技術力向上にもつながっていくということですね。お互いの発言の意味の共有を促進するファシリテーションの効果を、中堅社員の皆様も育成委員会の皆様も実感されたようですね。
皆様、本日はどうもありがとうございました。

 
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